「言葉の壁」は問題なく、活躍と成長に大きなメリットを感じ採用数を増加(隆電設工業株式会社㈱・山内様)
大阪市の電気設備工事会社「隆電設工業株式会社」代表の山内様にお話を伺いました。
隆電設工業株式会社
採用人材:ベトナム人技術者 4名 (工事部3名・管理部1名)
代表取締役
山内 隆史さん
外国人材を採用しようと考えたきっかけは?
当社ではこれまで2〜4名を採用しても半数が残る程度というのが実情で、人材の定着が課題でした。しっかりと人材を確保したいという中で、外国人の方の採用を考えるようになりました。サオマイジャパンの人材紹介で、今までに4名の方を採用させていただいています。現在、1人目の方が入社して約2年、2人目の方が1年2カ月が経過しました。今年の4月にも、新たに2名の方を採用しました。
採用した外国人材の活躍状況は?
めちゃめちゃ活躍してくれています。自分の国を離れ、日本という異国の地でがんばろうという想いを持った方々なので、学ぶ姿勢も素晴らしいです。当社の社員たちも〝外国人〟に対して差別をするようなことなく、本当に仲間として受け入れてくれています。やはり、職場の環境や取り組み方によって成長度は異なるものです。社員のおかげもあり、採用した方が非常に速いスピードで成長してもらえていると感じています。
採用時や入社後に感じた「壁」や大変だったことは?
大きな「壁」は感じていません。もともと皆が感じていた最大の「壁」は「日本語が通じないのではないか」 というところでした。が、1人目の方が日本語(能力試験) N2レベルほどの実力のある方でしたから、その「壁」と感じていたものは一瞬でなくなったように思います。もちろん育成の取り組みは必要です。ただ、それよりも入社してもらったメリットの方が大きい ことから、実際に採用者数を1人から2人、2人から3人4人と増やしている状況です。
基本的に「日本語レベルが高い」と感じています。今までに4名採用させていただきましたが、業務や職場のコミュニケーションが難しいという方はいませんでした。外国人採用をしている他社では「言葉の壁が大き過ぎる」とよく聞くので、有難い人材を紹介していただいていると思っています。
日本語習得や関係性構築を促す取り組みは?
日本語の習得に関しては、外国人の方だけが努力するものではないと考えています。具体的な取り組みとしては、毎朝担当者を一人決めて、必ず15分間ほど会話をするようにしています。当社は本社が中央区で本店が岸和田にあるので、岸和田の「だんじり」のことを話したり、逆に「◯◯を調べてきてね」と伝えてみたり……。最初に採用した方も2人目の方も、話せば話すほど日本語を聞き取れるようになり、話せるようになりました。ですから会社としても、本人だけに任せるのではなく、日本語で会話する時間をしっかりと取るようにしています。
年末の忘年会は、従業員の家族も呼ぶという形を取っています。奥さんも日本に来ている方には一緒に参加してもらうなど、少しでも同じ時間を共有できるようにしています。そういった部分は皆が心がけていますし、「なんぼでも話せよ」と伝えています。
採用した人材の業務内容や働く様子は?
当社は工事部と管理部という部署に分かれており、3名は工事部、1名は管理部で働いています。管理部への配属は今年4月に入社した方が初めてで、今、CADなどを勉強しながらがんばっていただいています。こちらから言わなくてもメモを取りますし、しっかりと目標を持って取り組んでいて素晴らしいなと思います。一人で日本に来てがんばっている彼らと居ることで、日本人の社員たちも感化され、モチベーションが上がっていると感じます。そういう意味では、むしろ「助けてもらっている」部分もあるといえます。
外国人材採用のために、どのような準備をしましたか?
最初の導入前に、外国人の採用に関するお話をサオマイジャパン顧問の森さんから伺う機会を設けました。叱り方ひとつをとっても「人前で叱るのではなく陰で叱ってあげてくださいね」というような、「国の違い」ともいえる部分を伝えてもらえました。一見小さなことでも、事前に知っているのと知らないのとでは大きな差になると思いますから、あらかじめ説明していただけて良かったです。当社の役職者も「外国人を採用するって、こういうことなんだ」と理解を深めた上で採用に臨むことができました。それから約半年後には入社していただいていました。
今後の展望についてお聞かせください
今後も日本で長く働きたいという方にはその道を作りながら、一方で、母国に帰ってその技術を発揮したい方とは、何かコラボレーションできれば嬉しいですね。彼らが日本で電気工事の仕事をしっかりと覚えて、たとえば「ベトナムに帰って商売をしたい」「ネパールへ帰って何かを興したい」となった場合、裏返せば当社にとっても成長につながるチャンスです。外国人材の採用は、いろいろな形で夢を広げていける可能性があると考えています。