求人企業向け情報

2024.05.16 人材理解

インドネシアの文化・習慣について

 こんにちは。サオマイジャパン株式会社です。

 我々は、日本の企業に外国人材を紹介する事業を行っています。

 今回は、日本で働く人が増えている、インドネシアについて文化や習慣をご紹介いたします。

 インドネシア人材を受け入れるにあたり、どのようなことに気を付けたら良いのか、というポイントをご紹介します。

◆この記事を読むと分かること

         ・インドネシアの基本情報

    ・宗教

         ・文化と習慣

    ・国民性

◆この記事は、こんな人に役立ちます

         ・インドネシア人材を採用したが、どのように接したらいいか分からない企業のご担当者様

         ・インドネシア人材を採用したいと考えている人

         ・インドネシアに行ってみたい方、文化や習慣に興味のある方


目次

1.概要

2.文化と習慣

  • 食文化について
  • 生活習慣について
  • 宗教について
  • 国民性・全体の傾向

3.インドネシア人材採用の留意点


1.概要

                                                 引用:インドネシアと周辺国の地図
                                                 https://www.travel-zentech.jp/world/map/Indonesia/Map_of_Indonesia_and_neighboring_countries.htm

 インドネシアは東南アジア南部に位置する世界最大の群島国家です。首都はジャワ島に位置するジャカルタ首都特別州です。インドネシアの人口は約2.7億人で、総人口の約5割が30歳未満という人口年齢が若い国という特徴があります。

 インドネシアの平均年収は経済発展と共に上昇傾向にあるものの、まだまだ給与水準は低い状態です。日本で働くことで、インドネシアで働くよりも多くの給与を稼げると考えられております。

 インドネシアでは、人口の約9割はイスラム教を信仰しています。インドネシア文化を知るには、このイスラム教がベースとなっていることを忘れてはいけません。

  • 国名:インドネシア共和国
  • 面積:約192万平方キロメートル
       17,500以上の島で構成される
  • 人口:約2.75億人(2022年、世界銀行統計)←日本の約2倍
  • 労働力人口:1億3585.9万人(2020年)←日本の約2倍
  • 平均年齢:29歳(日本:46歳)
  • 言語:インドネシア語
  • 民族:約300(ジャワ人、スンダ人、マドゥーラ人等マレー系、パプア人等
       メラネシア系、中華系、アラブ系、インド系等)
  • 宗教:イスラム教 86.93%、キリスト教 10.55%(2021年、宗教省統計)
  • 主要産業:製造業がGDPの2割、農林水産業・鉱業が2割、
                      サービス業などの第3次産業がGDPの5割以上
  • 一人当りGDP:4,788ドル(2022年)(日本は33,823ドル)
  • 在日インドネシア人:149,101人(2023年12月末:法務省統計)
  • 就労ビザで働いている人数:100,041人 (2022年比56%増)
    (2023年10月末:厚生労働省統計)

参考:外務省「インドネシア共和国基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/data.html

   労働政策研究・研修機構「基礎情報:インドネシア」 https://www.jil.go.jp/foreign/basic_information/indonesia/index.html


2.文化と習慣/宗教(イスラム教)

  • 食文化について

                                                 ※インドネシア人の国民食ナシチャンプル

 インドネシアの特徴的な文化や習慣について、ご紹介します。

 インドネシアは世界第3位の米生産国で、1日3食お米を食べる人も多いです。

 代表料理はご飯と数種類のおかずを一緒に盛ったワンプレート飯「ナシチャンプル」とインドネシア風の炒飯のことで、ご飯と簡単な具を甘口醤油などで炒めた食べやすい料理「ナシゴレン」です。手で食べる手食文化で、右手で中指と人差し指、親指でスプーンのようにすくって食べます。

    インドネシア人口の約9割がイスラム教徒なので、豚肉やアルコールが禁止されているなど食事の制限が多いのが特徴です。


  • 生活習慣について

 左手は、不浄の手(穢れている)と考えられています。握手や物の受け渡し、お金を持つ際には、必ず右手を使います。頭は魂や神、精霊など神聖なものが宿るところと考えられており、 頭を触られることに強い抵抗感を持つ人が多いです。

参考:tokuty blog 「インドネシア人の国民性や特徴、採用・雇用時に知っておきたい文化の違い」 https://tokuty.jp/blog/country-introduction/304/


  • 宗教について

※インドネシア・バンダアチェ中心部のバイトゥラフマン・モスク


 インドネシア共和国憲法で認められている宗教はイスラム教、プロテスタント、カトリック、ヒンドゥー、仏教、儒教の6つです。インドネシアは世界最大のイスラム人口を抱える国ですが、様々な宗教の信仰が認められている多宗教国家でもあります。インドネシア人口の約9割がイスラム教徒です。

  • イスラム教の信条について

   一般にイスラム教徒が義務としてなすべき行為5項目を「五行」といいます。

  • 信仰告白
     イスラム教徒は「アッラーのほかに神はなし、ムハンマドは神の使徒なり」という意味のアラビア語を口に出して言うべきだとされます。入信を示す時や礼拝などで繰り返し唱えています。
  • 礼拝
      原則として、1日に5回メッカ(聖地)の方向を向いて一定の所作を行なうことになっています。
        礼拝の所作は、神を敬う姿を示しているともいわれます。
  • 喜捨
      自分の財産の一部をイスラム共同体のために差し出すことです。
  • 巡礼
         イスラム暦の巡礼(ズ・ル=ヒッジャ)月にメッカのカァバ神殿とその近郊を規則に従ってめぐります。
  • 斎戒(断食)
         斎戒(サウム)とは、欲望をコントロールすべく、日中は断食をし、性的な行為も抑制することです。
         ラマダン期間中の斎戒はイスラム教徒の義務であり、普段以上に良い振る舞いをすることが推奨され
         ています。

参考:サポネット 「知っておきたい「インドネシア人の宗教事情」お祈りや雇用の際に注意すべきことも解説」
           https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/culture/4023 
           明治大学「イスラムの世界観」 https://www.isc.meiji.ac.jp/~tomyam/q&a03.html#:~:text


 

  • ラマダンについて

 1) ラマダンとは
     ラマダンとは、イスラム暦の第9番目の月の名前です。ラマダン期間中の斎戒は
     イスラム教徒の義務のひとつで、約1ヶ月間、日の出から日の入りまでの時間飲食を断ちます。
     また、飲食だけでなく、悪口、嘘、揉め事、欲望、性行為も断ち、ラマダン期間中は普段以上に良い振る舞いをすることが推奨されています。

 2) ラマダンの目的
     ラマダンの最も重要な目的は、神様に近づき、自身の信仰心を清めることです。
  ラマダン期間中は、欲を捨て、身も心も一番綺麗にした状態で、神様への献身と奉仕に没頭します。

 3) ラマダン中の過ごし方
     日の出から、飲食を断ち、次に飲食ができるのは、日没後です。
     日没後、「イフタール」という軽食を取り、日没後のお祈り(マグリブ)を終えると、
     再度食事を取ります。夜ご飯を食べ終えると就寝し、また日の出前に起床するという生活を送ります。

参考:インドネシア総合研究所 「ラマダン(断食)の目的とは」
           https://www.indonesiasoken.com/news/what-is-the-purpose-of-ramadan-fasting/

  • 休暇について

1)ラマダン後、長期休暇レバランがあり、苦しい断食をやり通した喜びの祝日で、
  「正月」のような扱いになります。

   ラマダンの時期は毎年同じではなく、11日ずつ早まっていきます。
   2024年のラマダン期間は3月10日(日)~4月8日(月)です。
   インドネシア出身者にとって、レバランは一年でもっとも大きな休みで、イスラム教徒でなくても、帰省を考える時期です。
      帰省に向けて休暇を調整してあげると喜ばれます。

  • 宗教に関して(信仰の度合いや生活習慣には違いがある)

 1)  インドネシアでは約9割がイスラム教徒ですが、多様な宗教の方がいます。
   まずは相手の宗教を確認し、理解し合う姿勢が大切だと思います。

   信仰の度合いについて、直接聞くことはあまり薦めしません。
   イスラム教では豚とアルコールはNGです。
     そのため、会食時などレストランを選ぶ際は、豚の扱いのないハラルのお店などを選ぶようにしましょう。

 2) イスラム教では一日5回ほどお祈りが義務付けられています。
   就業時間中だと15時と18時の2回が該当します。

   一般的に1回のお祈りに要する時間は20分前後です。
   お祈りの時間に業務を強要することはNGです。

参考:サポネット 「知っておきたい「インドネシア人の宗教事情」お祈りや雇用の際に注意すべきことも解説」
           https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/culture/4023


  • 企業側がイスラム教徒社員を迎え入れるときにできる支援

1)  礼拝時間や礼拝の場所について本人の意向を確認する。

2)近くのモスクの場所を教える。

3)ハラル食品が手に入りやすい業務用食品スーパーや輸入食品
   取扱店の場所を教える。

4)会社の飲み会や食事を強制しない。

5)食べ物や飲み物について成分を知るためのサポートする。

  • 今後、イスラム教徒の同僚やお客様と接する機会が増えていく可能性がある。
    身構えすぎず、コミュニケーションを通して相手を理解する姿勢が大切です。

  • 国民性・全体の傾向

                                                 ※バティックとはジャワ更紗とも呼ばれ、ろうで模様を描く染めもののこと

 あくまで、おおまかな傾向ですが、一般的に、楽観的でポジティブな性格の人が多いようです。インドネシア人の口癖は「Tidak apa-apa」”ティダアパアパ”心配ないという言葉です。

仕事が人生の中心という考えではなく、家族・身近な人・宗教などプライベートの部分をより大切にしています。 そのため、仕事中でもプライベートのことを優先することもあります

参考:一般社団法人建設技能人材機構「インドネシアの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!」
           https://jac-skill.or.jp/columns/hint/indonesian-national-character.php


3.インドネシア人材採用の留意点について

1)人口の約9割がイスラム教徒のインドネシアでは、飲食に気を付けることが必要です。

   豚肉やアルコールが禁止されているなど食事の制限が多いのが特徴です。

      一緒に食事をする際は、豚の扱いのないハラルのお店などを選ぶようにしましょう。

2)インドネシア人は時間におおらかな部分があることを理解することが必要です。

     母国では、交通機関も遅延が目立ち、ビジネスの場でも工期や納期の遅延は  
     日常的に発生するという背景があります。

  日本のビジネスにおける時間の重要性を、順序立てて、しっかり説明する必要があるかもしれません。

3)インドネシア人は自己主張が弱い傾向があります。断り切れずに、業務量が 増え、負担が多くなる可能性があります。
     定期的に、悩みを聞く場を設けるなどの必要があります。
 「問題を抱え込んでいないか」確認する時間を設けると良いでしょう。


  • インドネシアに関する情報源

  • おすすめ
    1) インドネシア総合研究所公式ページ(日本語)
           インドネシアにある経済、文化、宗教などの情報が記載されています。
           (https://www.indonesiasoken.com/)

  • 人材と接する上で大切なこと

 これまで、インドネシアの文化や習慣についてご紹介しました。

 事前に色々な事情や習慣を知っておくことも大事ですが、「最も大切なのは相手とコミュニケーションを取ること」です。
例えば、この資料をインドネシア人の方と一緒に読むことで、話のきっかけになり、相互理解も深まることでしょう。

 コミュニケーションを取る習慣があれば、人材にとって良いこと・ダメなことを直接聞くことが出来ると思います。逆に、日本でやって良いこと・悪いことを伝える機会にもなると思います。

 人材の皆さんは祖国を離れ、海外での仕事に日々奮闘しています。貴社の皆さまからの温かいサポートにより、慣れない日本での生活・仕事に徐々に自信を得ることと思います。
   
    今回の内容を、是非ご活用いただければと思います。

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