インド人材と上手に付き合うために知っておきたいこと
こんにちは。サオマイジャパン株式会社です。
私たちは、日本の企業と外国人材をつなぐ架け橋として、人材紹介サービスを提供しています。
日本で働くインド出身の方々が増えてきており、職場でのコミュニケーションを円滑にするためには、彼らの文化や習慣を理解することが大切です。お互いをよく知ることで、信頼関係を築き、より良い協力体制を生み出すことができます。
この記事では、インドの基本情報や経済、宗教、文化、国民性についてご紹介します。インド人材を受け入れる際のポイントについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
◆この記事を読むと分かること
- インドの基本情報(国の概要・経済・宗教)
- インドの文化や習慣(テクノロジー・食事)
- インド人の特徴(民族の多様性・地域ごとの職業適性)
- 外国人材と接する際に大切なこと
◆こんな方におすすめです
- インド人材を採用したが、どのように接したらいいか分からない企業のご担当者
- これからインド人材の採用を考えている方
- インドの文化や習慣に興味がある方
目次
5.インド人の特徴と性格
① 民族概観
② 地域ごとの職業適性
1.概要
参考:外務省「インド共和国基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/index.html ほか
インド共和国 |
日本 |
|
面積 |
約328万7,469㎢(日本の8.6倍) |
約37万8,000㎢ |
人口 |
約14億3,651万人(日本の11.4倍) |
約1億2435万人(2023年) |
首都 |
ニューデリー |
東京 |
労働力人口 |
約5億2,300万人(2022年、世界銀行統計) |
6,925万人(2023年、統計局) |
平均年齢 |
28.4歳(2024年) |
49.9歳(2024年) |
言語 |
連邦公用語はヒンディー語、他に21の公認言語 |
日本語 |
民族 |
インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等、大小1000以上の民族集団を内包 |
大和民族 |
宗教 |
ヒンドゥー教、イスラム教他(キリスト教、シク教) |
神道、仏教 |
主要産業 |
IT産業(54.7%)、工業(27.6%)、 農業(17.7%) |
サービス業(32.1%)、製造業(20.5%)、卸売・小売業(12.7%)、不動産業(11.8%)、建設業(5.4%)、その他(17.5%) |
失業率 |
7.2%(2024年) |
2.5%(2024年12月) |
一人当たり名目GDP |
約2,677USD (2024年) |
約32,859USD (2024年) |
初任給 |
15,000ルピー(約26,000円) |
22万6,341円 (2024年4月新卒者、産労総合研究所調べ) |
2.経済概観
1)世界第5位の経済大国・インド
インドは、2024年に世界第5位の経済大国となりました。14億人を超える巨大な市場と、ITサービス業の発達などが、インドの成長を押し上げています。
2)地域ごとの格差が激しい
成長著しいインドですが、地域ごとに一人当たりGDPが全く異なるのも特徴です。
一般的に、南に行けば行くほど一人当たりのGDPが高く、北部ほど低い傾向にあります。
古くからの「カースト制度」(現在、公では廃止されています)と職業は密接に結びついており、教育・職業へのアクセスが、生まれた地域やカーストによって決まってしまう、格差社会とも言えます。
3)IT業界大手からの投資が活発
優秀なITエンジニアを他国と比較して安価に雇えることから、 GoogleやAmazonなどに代表される米大手IT企業や日本のソニーや富士通、メルカリなどが、こぞってインドに開発拠点を設けています。
地域ごとのGDPを表した図。(濃色はGDPが高い)
※引用 https://x.com/indiainpixels/status/1809230497928659177
3.宗教 –ヒンドゥー教が最多–
1)インドで最も多いのは、「ヒンドゥー教」(約80%)
ヒンドゥー教は、インドを起源とする世界最古の宗教のひとつ。
教祖が存在せず、多様な神々を崇拝する特徴があります。日本の「神道」(森羅万象に神が宿るという思想に基づく多神教)に近いものがありますね。また、大小1,000以上もの民族が暮らすインドでは、イスラム教やキリスト教、その他の宗教も共存しています。
2)ヒンドゥー教でのマナーとタブー
ヒンドゥー教では、右手は神聖な手、左手は不浄な手をされています。特に食事を提供する際には、右手で行いましょう。また、左手の使用や頭を触る行為は避けるべきです。
3)牛は聖なる乗り物であり、食べることはできない
ヒンドゥー教では、牛は破壊神シヴァの乗り物であり、神聖な動物として崇拝されています。そのため、ヒンドゥー教徒は牛肉を食べません。ただし、乳牛としての役目を終えた後は食肉とされることが多く、輸出されることもあります。
また、一部地域や外国人が多く居住する南部では、牛肉を提供するレストランも存在します。
4)ボリウッド映画で頻繁に登場するカラフルなお祭り「ホーリー祭」
インド映画(ボリウッド)がお好きな方は、色とりどりの粉や水を掛け合うシーンを目にしたことがあるのではないでしょうか。これは「ホーリー祭」と呼ばれ、例年3月に行われます。
季節の変わり目である春には、風邪や発熱を引きおこすと考えられており、伝統的医療であるアーユルヴェーダの観点から、天然のハーブから抽出した色粉をまいていたそうです。(今は化学製品で作られている粉もあり、期間中は外出を避ける人もいるとか。)
4.文化と習慣 –① テクノロジー編–
1)アナログとデジタルがまぜこぜになった国、インド。
新しいテクノロジーがどんどん導入されるインド。
日本のように「ETCカード」ではなく、車窓に貼られたバーコードを読み取ることにより高速料金や駐車料金が自動で請求されたり、州をまたぐ際にかかる通行料は事前にオンライン決済ができたり…。と思いきや、現金決済しかできない店舗があったり、車両事故が起きた際にはドライバー同士で話し合って終了してしまうするケースがあったり。
2)インドでは、「リキシャ」もライドシェア!
ポピュラーな移動手段「リキシャ」(当社撮影)
ライドシェアアプリの「Uber」も、人々の生活にかなり浸透しています。
驚いたのは、通常の車だけではなく、「リキシャ」も配車できること! 渋滞が激しいインドでは、普通車で渋滞につかまると何時間も車両が進まないこともしばしば。車間が狭くても通行できる「リキシャ」の方が早く目的地に到着することも、珍しくなさそうです。
インドを訪れた際は、是非Uberでのリキシャ配車に挑戦してみてください。
3)IT業界で「インディアンドリーム」をつかめ
かつて、「カースト制度」(現在、公にはカースト制度は廃止)で就ける仕事が厳格に決まっていたインド。新しい職業である「ITエンジニア」は、カースト制度の中に組み込まれておらず、どのようなカーストの人も就職できるとして、瞬く間に人気の職業になりました。
GAFAMなどもこぞってインドでIT人材を採用しており、他の職種より給料が高いのが魅力。まさに「インディアンドリーム」と言えそうです。
テック系企業が集まる街。英語が飛び交い、国際的なエリアでした。(当社撮影)
4.文化と習慣 –② 食事編–
1)インドと言えば、やっぱり「カレー!」
インドといえば、誰もが思い浮かぶのはカレー!名前の由来は、スパイスを使った煮込み料理「ターカリー(ヒンズー語)」が「ターリ」になり、やがて「カレー」という英名になったという説があります。イギリスを通じて日本にカレー粉が渡来し、独自の進化を遂げて、現在のカレーになりました。
2)インドはバターの生産量世界の58%
インドでのバター生産量は、675万トン(!)、うち輸出量はわずか2万4,000トン(0.4%)であり、大部分がインド国内で消費されています。インドでは「ギー」と呼ばれるバターオイルが、カレーのみならず沢山の料理に古くから使われており、25年には716万トンまで膨らむと予想されています。
3)ご存知でしたか?実は、ナンはぜいたくな食べ物なんです。
タンドール窯がないと焼けないナン。本来、タンドール窯は、北インド地方の王宮料理タンドールチキンを焼く窯であり、北インドの高級レストランにしかないのです。家庭ではもっぱら、チャパティや米と一緒に食されることが多いです。
4)日本のインドカレー屋さんは、ネパール人が経営?
日本に高度経済成長期に急激に増え、今では4~5千件あると言われるインドカレー屋さん。当初はインド人が経営していましたが、料理人としてネパール人を雇う店も多く、彼らがたちまち独立し、勤めていた店のメニューを模倣したそうです。
日本で食べられるインドカレーのイメージでインドを訪れると、少し意外なカレーをたくさん発見できるかもしれません。
インド出張中に食べたカレーのお弁当!どれも本格的で、カレー好きにはたまりません。(当社撮影)
5.インド人の特徴と性格 –① 民族概観–
日本の約8.6倍の国土の中に、1,000以上もの民族集団が暮らすインド。ひとくくりに「インド人」と言っても、民族や地域によって、性格は様々です。
1)民族概要
民族 |
特徴 |
アーリア系 |
ニューデリー近郊に多い。色が白く、背が高いのが特徴。 |
モンゴル系 |
ミャンマー、バングラデシュ、ブータンと国境を接する北東地域に多い。日本で働く介護人材は、モンゴル系が多い。 |
ドラヴィダ系 |
南インドに多い。色が黒く、アーリア系と比較して背が低いのが特徴。 |
2)インド人の価値観
- インド全体で、医学・工学など理系に進むことが賞賛される価値観があります。
- インドには 14 の公用語が存在し、地方によって言語や文化の違いが大きく、親族の中で母国語が異なることも珍しくありません。そのため、非ホワイトカラー層でも 5 か国語の日常会話を扱う人も多くいます。
3)カースト制度の名残
- カースト制度は公には廃止されているが、国民の間では脈々と受け継がれています。
- 日本人がインドで事業を営む上で、カーストを感じる機会はあまりありません。
地域によって大きく特徴が異なるため、向いている業界・職種も、地域によって異なります。
地域の特性をよく理解した上で、自社の職務内容に合った採用活動を進めると、ミスマッチの少ない人材採用ができることでしょう。
1)北東インド(ナガラント、マニプールなど)
- 外見が日本人と似ていることもあり、介護職での採用が多い
- また、キリスト教が多い地域のため、英語を流暢に扱える人材が多い
2)南インド(ベンガルール、チェンナイなど)
- ガッツがあり、製造業に向いている
- IT系人材が豊富におり、数千人単位でSEを採用している在インド企業もある
3)北部(ニューデリーなど)
- プライドが高い人物が多く、日本人の気質との共通点が少ない傾向
4)共通
- 毎日同じ作業を繰り返すことに慣れていない人が多い
- 時間感覚が日本と異なるため、「時間厳守」を徹底的に教育する必要がある
- 中間~裕福な所得層は、海外就職を希望するインドの若者が多い
- ベジタリアンが多いため、日本での食生活に対する不安が最も大きい
※インド進出企業へのヒアリングをもとに当社作成
どの国籍の人材を雇用したとしても、最も大切なのは以下の2点です。
1)人材とコミュニケーションを取ること
2)人材の出身国や文化に対して、敬意を払うこと
- 人材とコミュニケーションを取ること
外国人材の皆さんは祖国を離れ、慣れない海外での生活や仕事に日々奮闘しています。彼らにとってもっとも嬉しいのは、受入企業の皆様からの温かいサポートです。
「日常生活で困っていることはない?」「週末は何をするの?」「インドではどんな歌が流行っているの?」…など、どんなに些細なことでもいいので、まずは沢山話しかけてあげてください。
「見守ってくれている人がいる」「自分は一人じゃない」という安心感が、明日への活力となり、やがて、受入企業へのコミットメントにつながります。
- 人材の出身国や文化に対して、敬意を払うこと
想像してみてください。私たちが外国へ行って、日本のことを悪く言われるのを目の当たりにしたら…、あまりいい気分はしませんよね。
外国人材を受け入れる際、出身国の文化・習慣や宗教について、受入企業の皆様が自ら学び、敬意を払いましょう。外国人材に質問してみるのもオススメです。
特に、日本人にとってなじみのない「宗教」については、触れてはならない質問だと思われる方も多いです。互いを理解する上で必要なこと(食事やマナー、お祈りの回数など)は、質問してもまったく問題ありません。
ここまで、インドの特徴や人材との向き合い方について記してきましたが、いかがでしたか。
これからインド人材を受け入れようと考えている企業の皆様に、当社は以下を提案いたします。
💡最初のインド人材採用は、「北東インド」、「南インド」地域からがおすすめ。
💡企業から「仕事のうちもっとも大変な部分」をよく伝え、就職前のミスマッチを防ぐことが有効。
より当内容を掘り下げた動画もありますので、あわせてご覧ください!